Angelic Gift

　とうとうブランはノアールに尋ねました。
「ノアール。君はいったい、このところ何を悩んでいるの」
　二人の使命は順調に果たされ、あとは天の国に帰る日を待つばかりでした。
「そりゃあ君と僕は性格も違うし、喧嘩もたくさんしたけれども、それでも僕たちは友達じゃないか。いままで二人で頑張って、もう少しで主の元に帰れるのに」

　やがてノアールは根負けして言いました。
「ブラン、主の元へは君一人で帰るんだ。……私は帰らない」

　ブランは驚いてノアールを見ました。伏せられた彼の瞳を見て、ブランは彼がほんとうに決心したのだと悟りました。

「では、僕も残ろう」
　ブランはノアールの手を取りました。今度はノアールが驚く番でした。
「だけど、君」
「友達じゃないか。二人なら、きっといい方法が見つかるだろう」

　二人は地上に残る方法を探し始めました。

To be continued.